<男性モデル制作の記録03>

(2010年2月7日・晴、17:00〜20:00、モデル:S氏・26歳男性〜男性モデルNo.03)
男性モデルの応募については、別枠でお受けしている。本来は男女隔てなくモデルとしては同じ価値で描くべき所であるが、モデルという行為について純粋とはいえない意識をもつ男性のため私は敢えて有料というハードルを設けている。男性モデルを希望する掲示板など見るとその内容は目を覆いたくなるような惨状である。
別枠での男性モデルの応募者は今まで50歳代の方であったが、今日は20代の方、応募のメールもきちんとしたものでS氏の真摯な動機が強く伝わってきた。始めに来る応募のメールでその方のモチベーション、モデルに対する意識はほぼ認識できる。意味不明や非礼なメール、よく募集要項を読まずに勘違いしてくる者もいる。よい結果を生むはずもなく時間も無駄であるから、私はこのような照会には返信しない。
メールで受けた印象同様にS氏は私の予想通りの好青年である。自身のやりたいことがとても明確で予定の3時間にベストを尽くそうという心意気が伝わる。
ポーズは私が一通り指導した後、S氏の表現にお任せする。当初は緊張や戸惑いのあったS氏であったが、ありのままの自分自身を受容した時点から男性を誇るかのような格好の良いポーズに変容した。本来あるべき自身の姿が一番美しいし、それを使っての表現は心地よい行為なのである。
暑いくらいに暖房のよく効いた室内、全身から汗を噴き出し、滝の汗を流してポーズを生み出す。ポーズの保持は苦しいが精神的には満たされ心地よいに違いない。夕方からの開始のため光線はスポット照明を用いて体表の陰影を強調・調整する。制作のほとんどを女性モデルを対象にしている私は、描き癖でクロッキーが女性の身体にならないように対象を慎重に見て筆を運ぶよう心がけ、普段のクロッキーよりもポーズ時間も長めにとった。
44点のクロッキー、掲載は4,5,10,11,14,13,15,16,18,19,20,23,24,25,26,27,28,29,30,31,33,34,35,36,38,39,40,42,43,44点目のクロッキー、30点。

モデル S氏 感想メール
昨日はありがとうございました。
もちろん美術モデルは初めてということもあり、最初の数ポーズはとても緊張しました。
しかし、時間が経つにつれて緊張感も無くなり、
特に中盤以降に棒や紐を使いながら体を捻らせてとるポーズは、
自分でも自信を持ってとることが出来ました。
さらに先生からも「おもしろい」、「格好いい」と褒めて頂いたこともそのプラスになったと思います。
出来上がったクロッキーを拝見すると、最初は自分の体なのに他人の様に見えて不思議な気持ちでしたが、
徐々に「自分の体はこの様に見えるんだ」という気持ちと、「そこに自分が存在しているんだ」という気持ちが湧いてきて、
「他人の視点から自分の体を見てみたい。
そしてその経験をこれからの人生に生かして行けたら」という今回の応募の動機に対する答えを見出せたと思います。
私は今まで自分にあまり自信が持てませんでしたが、
昨日の経験を通して、もっと自信を持って生きていきたいと思いました。
(自信とは「自分を信じる」と書くとお話しましたね)
また機会があったら是非ともお願いします。(そのときは筋力をつけることと、ポーズの引き出しを増やしてきます)


  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  



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